2021-03-05(快楽/外/電話)

今週は二度雨が降った。


ここにも堆積ができてきて、過去の私を参照することも増えた。2019-05-16に引用した部分を再びのせたい。

「敵味方じゃなくってさ、一生に一回情熱と快楽に悶えるような激しい恋をするのと、そこそこ楽しいけどそんなには酔えない、ほどほどの恋を何度かするのとではどっちを選ぶ?」
「それなら、激しい恋をして情熱と快楽に悶えてその絶頂の瞬間に死にたい」


 松浦理英子『最愛の子ども』  

 

「固有名詞が頻出する会話が苦手だ。物や人の名前だけが転がって中身は空洞である」とこのときの私が書いているが、その考えはまったく変わっていないし、それだから『花束みたいな恋をした』には「へーそうなんだ」くらいの感慨しか抱けなかったのだろう。いま忙しさにかまけて麦みたいになりかけているのだが。一括就活システムは、単純に一度にやるべきことが多すぎるということが疲弊の原因だと思う。まだそんなに焦ってはいない。

茅野という名前でネットをするようになってから、ネットが外の世界で、つまり非常に内向的になって色々なものを拒んできたけれど、ようやっとそれがひらけてきた感覚がある。こういうとき、すぐに星の巡りを確認してしまう。

 

恋にかんする考えはわたしたちを生かしめる 金をせしめる 大切なことは 赤井英和が自分の脳ミソに 手を触れたということ 「オエっとなった」ということ

「泣くな 胎児の時代になにかあったのだ」

仮病だから 居留守だから 電話してほしい あなたの手が十七キロメートル先で空気をかき混ぜるあいだに 音楽は五度死んでいるのだから さらに ここはキャバクラではない 風がふきすさぶ私有林でもない ここは河川敷のブルーテント

 

安川奈緒「MELOPHOBIA」