私の本棚の新潮文庫ベスト約10冊

 

インスタでタグが流行っていたので投稿した。インスタは文字の検索性がないので、こちらにも転記しておきます

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・人間失格/太宰治

  ほんとうに恥ずかしいことだが、初めて自発的に買った文庫本だったと思う、小4か5くらい

・箱男/安部公房

       奇を衒って本当にかっこいいのってこれくらいでは。大学で読書会というものを初めてやった時読んだ

・杳子/古井由吉

  体調が悪いときにさらに悪くなるために読む時がある

・白河夜船/吉本ばなな

  眠くて仕方ない時にさらに眠くなるために読む。映画も好き

・聖少女/倉橋由美子

  桜庭一樹経由で読んだと思う。今付き合ってる人と付き合う前に、聖少女に出てくる女に似てるかもみたいなこと言われたの忘れられない…… 

・ホリー・ガーデン/江國香織

  背表紙ぼろぼろすぎ、最も読んでおりお守りがわりに持ち歩いていたので

・狭き門/アンドレ・ジッド 

  “文学少女”シリーズ(野村美月)で知った本の一つ(太宰、チェーホフ、ギャリコもそう、多大な影響)。小6のときこれで読書感想文を書きたしなめられたことがある(読書感想文はすごく下手)

・結婚式のメンバー/カーソン・マッカラーズ

  思い出は浅いが、最近結婚式に呼ばれるたびに思い浮かべる。マッカラーズしか書いていない形の孤独がある

・かわいい女・犬を連れた奥さん/チェーホフ

  「海外文学」として受容した初めての作家がチェーホフだっだと思う。著者紹介を見て、16歳の時に家が破産?家が破産ってどういうこと?と思った記憶がある。「中二階のある家」に本読みすぎて蒼ざめてる姉妹が出てくるのが好きだった

・スノーグース/ポール・ギャリコ

  幸福なことに、矢川澄子のことをまずギャリコの訳者として知ったのだった。遠子の手紙と結びついて記憶している

・ロリータ/ナボコフ

  “文学少女”シリーズを貸してくれた同じ名前の女の子が小学校の教室で読んでいた。

・愛と同じくらい孤独/サガン

  サガンのこと、江國香織で知ったのかな…… 古本屋とか行くようになって、まずサガンを集めた。まずタイトルがいい。最近、瀬戸夏子がよく引用してて、わかる…と思っている。

・大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア——序章/サリンジャー

  乗代雄介に感謝していることは阿佐美景子というキャラクターを生んだことと、私にグラースサーガを読ませてくれたこと

 


溢れたのでいうと、以下があります

・青年のための読書クラブ/桜庭一樹

 たぶん実家に置いてて手元になかったがあったら入れてた。お嬢様学校にまだ憧れている…… あらぶる乙女魂のクロニクル

・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹

 こちらも手元になく… セカオワの彩織ちゃんがブログに書いてて読んだ覚えがある

・贖罪/イアン・マキューアン

 一回しか読んでないけどすごい面白かった記憶がある、また読みたい

・ホテル・ニューハンプシャー/ジョン・アーヴィング

 村上春樹か西加奈子かどちらか経由で知った作家で、これもかなり面白かったけど一回しか読んでないのでまた読む

 

 

嵐ヶ丘とか百年の孤独とか、新潮文庫にあるけど違うバージョンで持っているものなど入れたら無限になってしまうので、あくまで今持っているもので選びました。楽しかったから河出や岩波や講談社でもやりたい

2026-08-09(眼の中の星を見るために眼を閉じる)

 

覚えていたいことも伝えたいことももうなくて、書いていなかった。与えられた簡単な仕事をこなしてその対価として金をもらい、そこから国家に差し引かれ、わずかに残った手元の金で、服を買ったり爪を飾ったり髪を綺麗にしたりしているうちに年老いていく。何か書いたほうがいいといろんな人に言われる。とりあえず手を動かしてごらんと言われる。仕事の指示書づくりなどは嬉々としてやるのに、創作とか批評とか書かなくてもいいけど書いた方がいいらしいもの、となると何か頭の中にさあっと靄がかかって、私が書くことなんて何もないといじけていく。そうして寝たら忘れる。その繰り返しなのだった。

 

女友達がみんな結婚してしまう。どうしてあきらかに女性差別的な日本の結婚制度に与してしまうのだろうと思うけど、彼女たちにとって結婚は、一人を愛し一人に愛されることを表明することで社会の嫌なことから守られる繭のようなものなのだろう。理解はしているし、彼女らの望む幸せを手にしたことにおめでとうと思うし、結婚式ってなぜかこちらが写真や動画を不意に撮られていることが多いので、できるだけ背筋を伸ばして口角を上げて微笑ましそうな目をするように心がけている。
一方でまだ結婚してない女友達が、同じく出席した結婚式の帰り私と二人きりになったタイミングで、昔からの男友達に今更告白されて呆れてどうしようもない話とか、付き合った人に彼女がいて、その彼女に匿名で「お前の男浮気してるよ」ってDMした話とかをしてくれる。私は人から聞いた話も次々に忘れるので、どうせ忘れることを見越して話しているだけなのかもしれない。このあいだは高校にあったタワー?の存在を完全に忘却していて、自分で驚いた。毎日のアルコールで萎縮しつつある脳は、もっともっといろんなことを都合よく忘れてくれるだろう。ゼパちゃんと違って、とりあえずアルコールの入ったなにかではなく、ビールもワインも日本酒も焼酎も本当に美味しいと思って飲んでいるぶんマシだと思っている。このように様々なことを、より低度の対象を無理やり見つけて、それよりマシだと言い聞かせることで生きながらえている。飲まない方がいいのだということは、もちろんわかっている。でもたぶん壊れるまでは飲まないのだろうということも、わかっている。

 

今年は没後10年ということで中西夏之の回顧展がやっていて、どうしても見たかったので大阪まで日帰りで見に行った。若い頃、ハイレッド・センターとしてアクティビスト的アートをする過激さを持ち、1968年に土方巽「肉体の叛乱」の舞台芸術を担当するなどジャンル横断的な先鋭さを持ちながら、その後絵画という形式に向き合い続ける、そして美学校の設立にも関わるなど教育の重要性にも目を向けることができる、そういう経歴のすべてが格好良く、不純にも、作品そのものより中西の生き方の方に興味がある。

人は絵を見に来たのではない。無意識に正面を求める気持でやって来たのであろう。ところでこの世の中で正面性を持ったものは絵をのぞいてはない、といっても過言ではない。絵は正面性以外の何ものでもない。
絵は山や瀧と同じように本来運ぶことの出来ないものである。画家の行為は絵を描くという儀式の場を設定する。それは不動の場なのだ。見る人は軀を運んで来る。その歩行と軌跡は何かしらある横向きの流れと連続に寄り添っている。その連続は日付とか人生とか歴史とかの累積を記している。人は絵を契機に横の流れから立ち停り、直角に軀を向け、絵と真正面から出会うのである。

あと文章が独特で格好良い。これはかなり可読性の高い方の文章で、もっとわかりにくいものもいっぱい書いている。

8.湖水の周囲をめぐるのではなく、一人で湖の中心に舟を出すべきである。(ルツボ型のデッサンの場所)
9.煙突の上で、或は煙突の底で。(禁欲的なデッサンの場所)
[...]
眼の中の星を見るために眼を閉じると、星を見ることが出来るが、閉じたままでは絵画は結実しない様な事になるかもしれない。

 

本人が語っている以上のことを、本人の絵画について語る言葉を持っていないのが悔しいのだが、持てるまで待っていると忘れてしまうので書き留めておいた。

 

何に言及して何に言及しないか、SNSで常に問われているということを意識するようになってから、できるだけ全てに言及しないという態度を取るようになった。81年前の今日、長崎に原爆が落とされた日であることについて言及しないのは、では今まさに爆撃されているのかもしれないパレスチナについて言及しないのはなぜなのか、今ばんばん違憲の法律が通りまくっていることに言及しないのななぜなのか、そう問われるときりがないからだ。言及しないことは、それについて考えてないのとイコールではない、そういう理屈はもう通じなくなっている。またSNSを通して、何が好きで何が嫌いかでも常にジャッジされることに気づいてから、できるだけ色んなことに興味のあるふりができるようになったし、実際に割と色んな話題に対応できるようになった。でもこの態度は、全てにのことに気を回すことができると思われたいという傲慢さから来ているのかもしれない。そして何についても何も言わないことを繰り返すうちに、何も言えなくなってしまう。酒を飲んだ時にあんなに饒舌に不必要なことを喋っているのに、書くのには本当に時間がかかる。

 

2026-04-06(アルコール依存症の女の子の死について)

 

- できるだけ現実を直視しないというライフハックがあると思う。現実はあまりに醜いので、生きるために現実から一時的に逃避する方法がこの世にはいろいろとある
- 本でも映画でも音楽でもゲームでもいい
- 労働でもいい
- ネットやアルコールや薬はあんまり良くないらしい
- ゼパちゃんは酒が救いだと言っていて、それが依存症であっても、救いになるならばいいことだと思っていた
- 酔っている間は考えずに済むのは本当だ
- 私もほとんど毎日酒を飲むようになって思うことだが、酒は太るし過食に近いような、摂食障害の一種であるとも言えるかもしれない
- 綾瀬ちいちゃんとmorgenちゃんの摂食あるあるみたいな動画は消される前に見た
- 生き様を映す系の女性のYouTuberはみんな心配だ
- みんな生きて欲しい
- 日記が流行ってるけれど、日記をつけることは現実の直視に繋がる可能性がある
- こんなにつまらなく醜い日常を生きている私には価値がないという客観視ができてしまう
- あえて、日記をつけてないのだと言ってもいいかもしれない
- 日記をつけられないということが怠惰と見做されようと戦略的怠惰ともいうことができる
- 私は同様に家計簿もつけていない
- 最近は「努力していない」人は生きている価値がないという言説も蔓延る
- 怠惰は悪ではないと言わなければならない
- AKB総選挙が諸悪の根源ってツイート見てから、たまに本当にそうかもって思う
- 本当に大事な選挙が機能しなくなってしまった
- デモとか行った方がいいんだろうなと思いながら行けないでいる
- これは責められるべき怠惰かもしれない
- 儚さが商品になっていることを、私は10歳くらいで知った
- アニメやらラノベやらの儚いキャラを消費していた時代はまだ健全だった
- もう生身の人間の儚さがすでに商品になってしまった
- 本当に死ぬのにね
- 私が死ぬとしたらたぶん予約投稿とかして演出したくなると思う
- 死ぬ前に何か作らないとね……
- きらめく世界で瞬きする度に 胸が壊れて君が笑う

2026-02-12(鳥貴族で思ったこと81)

  1. 床がべたべたしている
  2. たぶんこのシリーズ無限にできる
  3. 座談会といい、色々シリーズにしようと思い、だいたい2回くらいしたら飽きてる
  4. 胸下だけの動画でちょっとかわいいっぽい感じの服装髪型にして、これを字幕としてつけたvlogをあげたら、ちょっと見られるかもなと思う
  5. 見られたくないのでやりませんが…
  6. YouTubeってそんなに甘くないと思う
  7. 会社のおじさんに、お金ないようっていうとYouTubeでもやればあ?と言われるので、じゃあ20代女性だったらどんな動画あげる?って聞いたら、それって身体はエロいものとする?と切り返されて最悪の会話だった
  8. 別にうへ〜といって受け流せるけど
  9. 実はすでに家でビールを一缶飲んでいる
  10. また最近ビールをよく飲んでるけど、ビールは顕著にお腹が膨らむのであんまり飲みたくない
  11. プレモルと山芋とハツ。鳥貴族は山芋だけでいいと結論が出ている
  12. 去年の今頃鳥刺しを食べてなったカンピロがトラウマで、鳥貴族もなんとなく避けてた
  13. まどマギのアニメを見返してて、今日見終わった
  14. 前見たのは2021年→2021-08-20(まどか/ほむら) - よくわからない比喩
  15. とことん自己責任と自己犠牲の話だ
  16. ほむらちゃんのこころざしの尊さでもこの嫌さって打ち消せてない
  17. 佐倉杏子の存在、完全に忘れていた
  18. さやかの幼馴染の最初のヴァイオリン演奏シーンが、ラフマニノフのヴァカリーズなの、凄くいい
  19. クラシックがアニメに使われることはままあるけれど、だいたいドビュッシーのピアノだと思う
  20. 序盤のまどか、おどおどしすぎている
  21. YouTubeは、BGM問題がある
  22. 雑談配信にBGMをつけないでほしい
  23. でも自分がやるとしたらつけてしまうだろうな
  24. クラシックってフリーBGMあるのかな?
  25. 今店内では好きすぎて滅!流れてる
  26. マツケンサンバ的な明るさある
  27. イヤホンではdownyを流している
  28. まどかの家も学校も、やたらデカくて透明で、スケール的違和感がある
  29. 母親とのやりとりは最初と最後で印象的だ。母親がキャリアっぽいところも含めて
  30. 家庭も仕事もうまくやってるが、酒飲みではある母親
  31. でもあのラストだと結局まどかの大いなる母性的なもので包み込もうって話に見える
  32. 隣の人が店員と友達らしい
  33. なおきー?と話しかけていて、大学生か、若いね
  34. 諏訪哲史の『アサッテの人』読み返す
  35. 新人賞の小説は、小説形式に敏感だからつい自己言及しがちだけれど、アサッテの人はわりとそれの完成系と思う
  36. 自己言及系でいうと、最近は金子薫や乗代雄介ね
  37. もう最近じゃないか?
  38. 直近の芥川賞読んでません、すみません
  39. すべてがもうすでに書かれていて、読むことしかできない
  40. 師匠の種村季弘に振り向いて欲しくて書いたって書いててそうよねと思う
  41. 書くことの初期衝動って、誰か特定の人に読まれたいことだと思う
  42. 大学のレポートって必ず講師に読まれたから書けた
  43. 青木淳悟のメルヘンは、最初作(処女作って言いたくなくてこれ)らしい自己言及はありつつ、初期衝動の若い感じはあんまりない
  44. その無愛想さが読みづらさでもある気がする
  45. 結局青木淳悟の小説をまともに読み通せたことがない
  46. 諏訪哲史の『偏愛蔵書室』もちまちま読んでるけど、プルーストに魅せられた人って無条件に好きだ
  47. 逃げ去る女をぱっと開き,目をみはるほどいいので本当にこれだけでいいと思う
  48. 最近読んだ笠井潔の『黄昏の館』も、プルーストに魅せられた人が語り手だった
  49. 黄昏の館みたいな、幻想耽美ミステリ、いちばん好きなジャンル
  50. 嵐が丘も入れていい
  51. 日本には、恩田陸や服部まゆみがいる
  52. ミステリは先が気になるのでとりあえず読んでいる間は延命できる
  53. 先週より希死念慮は遠のいた
  54. 希死念慮って言葉、いつ作られたんだろう
  55. 新本格ミステリを体系的に読もうかなと思って、ブックガイド的なものも最近目を通しているが、実際全部は読まないだろう
  56. 何かを体系的に学べたことない
  57. 音楽も、〇〇ロックとか、なんかいっぱい細かくジャンル分けされてるのは知ってるけど、何がどれなのかとか全く興味がわかない
  58. 耽美シューゲイザーが好きなのはわかる
  59. 今日、つんくの声が再び出るようになってる夢見た 顔も若返ってた
  60. ハロプロのサブスク解禁の知らせを見たからだと思う
  61. 芋水割り、やげんなんこつ追加
  62. ノイズキャンセルイヤホンを貫通して、隣から「ド淫乱女」って聞こえた
  63. どんなことしたらそう呼ばれるのか
  64. 若かりし頃、「穴兄弟」って言葉を知らなくて、?の顔したらうすら笑いされたことたまに思い出す
  65. 店寒いからお湯割りにすべきだった
  66. 来週会う予定の友人と店決めのLINE
  67. 前回私が提案してるから次提案してくれないかなと思い、いったん無意味な返事をするも、再び無意味な返事が返ってきて、あー
  68. 人と会うことの億劫さの大半が、場所と日時を決めることの億劫さにある
  69. 友人と会う時だいたい私が決めてる気がするんだけど、私が短気なだけ?
  70. 最短のラリーで決まるか、完全に決めてくれると、神!と思う
  71. 最短のラリーとは、A「何日と何日があいてる」B「何日オッケー。場所、新宿でいい?」A「オッケー。場所候補ここかここどう?」B「こっちにしよう。19時でいい?」これのこと。
  72. Bが「何日オッケー」だけで終わらすと、やる気ないな?と思って会いたくなくなる
  73. 秒で返事するひとなら最短のラリーじゃなくていいけど、だいたいこれを一週間にわたってとかやるからなみんな
  74. 私が短気なだけ?でも仕事じゃそんなことしないでしょ?
  75. 仕事でも年々チャットがまどろっこしく、すぐ電話かけてる
  76. でも、会話だと言った言わない問題になり、それはそれでだるいので、会話内容をチャットしておく
  77. こういうことが誰に言われるともなくできる部下とかきたら神!だろうな
  78. はやく自分より明らかに優秀な部下を持って自分は責任持って決断するだけの係になりたい
  79. はやく仕事しなくてよくなりたい
  80. 店を出た。2000円弱、満足度の割には高い気がしてしまう
  81. 息が白い

2026-02-05(サイゼリヤで思ったこと92)

  1. 図書館を出てサイゼリヤに入る前にスマホを見つつ、笙野頼子のnoteをざっと読んでうわ…と思う
  2. リュックを背負った仕事帰りのおじさんに従って入店 後ろを気遣ってドアを押さえてくれて優しい
  3. 今日はうるさめの店内かも
  4. 赤ワイン、ほうれん草、生ハムとチーズ
  5. 生ハム頼んだのは初めて。サイゼリヤの中では高いのでね
  6. 誕生日付近は金遣いが特に荒い
  7. 荒いし、死にたくなる
  8. 25で死ぬと思っていたのに!
  9. 10月と2月が危ない
  10. 提供早い
  11. さっき借りてきた吉行理恵詩集をぱらぱら読む
  12. 創作集『男嫌い』があるらしい、いいね
  13. コメント(批評)を寄せてるのが、粟津則雄、虫明亜呂無、安岡章太郎でうーん
  14. 吉行理恵は吉行淳之介の妹である
  15. 兄妹で芥川賞とったらしい
  16. 妹がとった時、兄は選考委員していたらしい
  17. 吉行理恵に実際には弟・妹はいないのだが、詩には弟・妹がよく出てくる
  18. ググるとまず猫を二匹抱えた写真が出てきて、いいね
  19. 川端康成が犬抱えてる写真も、いいよね
  20. 私はほうれん草の栄養を求めてサイゼリヤに来ている
  21. 今期はちぢみほうれん草全然食べられなかった
  22. 最も好きな野菜なのに
  23. さっきインスタストーリーにおすすめミステリ教えてって投稿したけど誰も教えてくれない
  24. インスタのストーリーってSNSの投稿形態の中で一番好きかも
  25. 最近の若者は全員インスタストーリーで出会っているらしいです
  26. ネイリストに越しに聞いた他人の話だが、今時の若者は、リアアカ、リア縮小アカ、趣味アカ、出会い(捨て)アカと駆使しているらしい
  27. アカを垢と書きたくないこだわりが、あるね
  28. まあたしかにナンパにもLINEじゃなくてインスタ聞かれる 
  29. やってないよーって言うしかない
  30. 最初からやってもらってるネイリストさん、ミーハーでありつつどこか冷静な人で好きだ
  31. 6年くらいやってもらってる美容師さんも同じ
  32. ネイリストさんは友達間でシール交換しよって盛り上がって、余裕で2,3万使ったけど一回しか交換してないって話を前回してくれた
  33. シール、そんなに?
  34. 小3のはとこは、ボンドロもおしりシールも持っていてたぶんカースト高いんだろうなと思った
  35. 美容師さんはシルバニア集めてたっけな?
  36. 美容師さんのこととても好きなんだけど、MBTIの話題になって、絶対Iでしょ〜って言われたの忘れられない
  37. Iですよ、82%内向型ですよ……
  38. 去年のテーマ、社交だった気がする
  39. 会社の飲み会よく参加したし、まあそこそこ社交できたと思う
  40. このあいだ会社の後輩女子の恋愛相談聞いて楽しかったな
  41. なんか割とえらそうに発言してた気がする、記憶がない
  42. でも、女の子と話す方が難しくない?うわべの感じで終わっちゃって、と言ったのと
  43. じゃあ私が付き合ってあげようか?って言ったのは覚えてる
  44. どういうキャラ?
  45. 明日ネイルだ わくわく
  46. アメジストっぽくしようと思ってる
  47. 2月の誕生石だからね
  48. うるさい男子高校生グループ居なくなったな
  49. ミステリを読んでいる限りは先が気になって死なないのでいっぱいミステリ読んでる
  50. 清涼院流水のコズミック、さっき読み終わった
  51. 探偵がいっぱいいすぎるのが斬新
  52. 半分すぎあたりでこれ収拾しないやつかと思ったが、意外とそれなりの説明はつけられていた
  53. 九十九十九がかっこいいだけじゃん
  54. 妹の名前が音夢なのも、わかり〜
  55. 夢女子?
  56. 中学の時英語と理科を教えてくれてた先生の初恋の相手の名前が音歓(ねむ)なの、一生覚えていると思う
  57. 先生の下の名前の方が記憶怪しい
  58. ミステリって小説という構造そのものを問える形式だから魅力的なんだと思う
  59. ミステリマニアのなかで、体験型謎解きを楽しめる人とそうでない人にはかなり溝がありそうなものだけど、どうなのかしらん
  60. 大学の時ミステリサークルとか入ってたらよかったかもねー
  61. ミステリサークルと短歌サークルに入って諸々を破壊したかった
  62. 嘘です
  63. 友人が複数いたピアノの会の破壊エピソード聞くの楽しかったな
  64. 〇〇かしらって私は割と言う方
  65. かしら、果たして、きっと、が古い使い方で使われている小説っていいよね
  66. 酔いが回ってきてるね ワイン追加していい?
  67. べつの図書館で借りてきた『対論 1968年』を開く
  68. 絓秀実って学習院なんだ、知らなかった
  69. 塾講師バイトしてた時に、数学が苦手すぎるしシャイすぎる女の子に、最低限の数学を教えて國學院の付属に入れられたの、良かったな
  70. 今もう大学生か…元気かな
  71. 当時の高校生は大江健三郎を読んでワクワクしていたらしい
  72. 日本のサルトルが大江だったってことか
  73. 通路挟んで向かいにいる女の人がめちゃ整形顔だけどかわいい
  74. 私より長居してるし声のトーンからしてめちゃ飲んでそう
  75. 整形顔と判断できるのは、鼻の高さと上唇のコンパクトさ
  76. 私のTwitterのおすすめ欄、整形か拒食症かなのですが、どうにかなりませんか
  77. 桐野夏生の『グロテスク』読んでかなり体調が悪くなったのだが、
  78. その一因が、東電OL=佐藤和恵が、コンビニおでんのはんぺんと大根ばかり食べている拒食症であるというディティールが真に迫ったからだった
  79. 私はいま摂食障害とアル中の狭間でなんとか持ち堪えている認識である
  80. ほんとうに、30代後半で佐藤和恵のように娼婦であることで自尊心を保っているぎりぎりの人生である可能性が、あります
  81. 佐藤和恵ほど現実との距離は見誤っていないつもりなんだけど
  82. 中島らもの『今夜すべてのバーで』読んでちょっとアル中に恐れは抱いたけど、じゃあこの夜をどうやり過ごせっていうんだ
  83. 山田庵巳の音言集1をノイズキャンセリングイヤホンで聴いています
  84. この間はじめて新高円寺にライブを聴きに行った
  85. 身内感あふれていて、おどおどあたふたしてしまい、店主に「子供じゃないんだから!」と言われる場面あり でも居場所がないんだろ?と言われて、うん、という
  86. その場にいた全員優しかった
  87. 桃のお餅くれたにこにこしたおじさん、ありがとう
  88. 爪を褒めてくれたお姉さん、ありがとう
  89. CD録音よりライブのほうが数十倍良いです
  90. 山田庵巳を通して10代の青葉市子のことを想像する
  91. 死んだら星になれるのかな
  92. ワイン500mlを飲んだ、退店

2025-12-30(年末/まとめ)

 

まとめを出す季節。

 

本

165冊ほど読了。60冊くらいはaudibleで聴いており、もうaudible(と酒)なしではなかなか寝付けない体になってきてしまっている。ベストを考えるとどうしても海外小説が多くなってきていて、twitterで昔から見ている読書家のみなさんが海外小説ばかり読んでいることが、実感としてわかりつつある。読書メーターだけでなく、readsも使い始めたことによって読みかけてやめたりした本について書くことができるようになったので、興味があればのぞいてください。私はSNSをやりすぎ。

 

ベン・ラーナー『トピーカ・スクール』:現代に小説を書くということはどういうことなのかをとことん考えている作家だなと思う。既存小説への批判精神はありつつ、悲観的になりすぎずに物語としての面白さも担保しているところがすごい。

彼が詩人になりたかったのは、詩が呪文だったからだ。構築された音が意味を解体しては作り直し、暴力をもたらしたり食い止めたりし、人を有名に、詩に抹消されたことで有名にし、身体に別の効果をもたらしうるからだった——人を眠らせ、目覚めさせ、涙や別の潤滑液を分泌させ、身体の一部を膨らませ、産毛を逆立たせる。トピーカのえせギャングたちはいつもほかのえせギャングたちを脅し、引用した言葉のことで告発し、殺すぞと脅した。ほとんどだれもが——幼稚園児も、おとなこどもも、家族セラピストも、分析医も、生物心理学者も、ディベートのコーチも——言語に魔術的な力があると思っていた。リラックスして、と筋肉に頼んでみるんだよ。仮に詩人になりたくなかったとしても、彼はすでに、常に詩人だった——少なくとも、〈ブライト・サークル〉で雑草を両手で擦り合わせたときからは。人は自分が詩人であることに気づかない。

 

トリスタン・ガルシア『7』:ついさっき読み終わったところだが、ベストに滑り込み。こういう幻想的SF的設定のある小話の連なりは大好物なのであった。メイヤスーなどに学んだ哲学者らしいけれども、案外外連味もなくわりと王道のエンタメの感じで楽しく読んだ。

 

リチャード・フラナガン『第七問』:フラナガンは数年前に『奥のほそ道』を読んで、恐ろしい作家だと思い敬遠していたが、これもコンパクトながら迫力のあるよい本だった。(追記:ブローティガン→フラナガンに訂正しました。お恥ずかしい…… ご指摘くださった方、ありがとうございます)

わたしたちは暴風雨が吹き荒れる世界の内側で生き、それを受け入れたが、ときに驚愕し、たまに嫌気が差し、果てしなく続くことが時折り不思議で仕方なかった。わたしはどの年に最も雨量が多かったか、あるいは一九六四年や一九六五年の雨量が多かったとするのは正しいか記録をあたることもできるが、わたしが記述しているのは記憶であって事実ではなく、そしてわたしたちは事実によって自分自身を知るのではなく、記憶——その詐術、その回避、その沈黙、そのでっち上げ、その避けられない疑問——によってわたしたちになり、あの狭い居間でゆっくりと円を描いて動き、そのあいだ雨は絶え間なく降りつづき、下地のないトタン屋根を叩きつけ、窓をかすめ、テレビはまた意味をなさず、父は別のダンスと昔の記憶に身をまかせ、私たちはともに父の過去をゆっくりと円を描いてめぐる。

 

パヴェーゼ『流刑』:パヴェーゼの厳しい切り詰め方が好きだ。全部読みたい作家なので来年全集を読めたら嬉しい(今年はナボコフを全部読むと意気込んで、買いはしたが全然読み込めなかったのだが…… 宣言したり意気込んだりしたことって、だいたいできない……)。ユルスナールの『とどめの一撃』も今年読み返して、全ての文がかっこいい…と思った。

 

リン・マー『断絶』:

2025-05-01(都市で暮らすとは、その街から提供されるものを消費することだ) - よくわからない比喩

 

ポール・オースター『4 3 2 1』:3月に読み終わったが、ひさしぶりに純粋に物語を愉しむことができた本だった。さすがのストーリーテリングで、同じ男の微妙に異なる人生を描くことは誰もが思いつきそうだが、やってしまえるのはオースターくらいなんじゃないか 。60年代アメリカの青春と文学… とくべつオースターのファンだったわけではないが、このような小説を書きおおせてしまえること、そして柴田元幸という訳者に恵まれて日本語で読めることに素直に感激してしまった。1月にkindle端末を導入したことで、分厚い本も物理的な疲労を感じることなくさくさく読めて本当によかった。利便性はばっちりなので、あとは物理本と同じ値段なら物理本で置いておきたいという気持ちとどう折り合いをけるかという問題になる。

 

クラリッセ・リスペクトル『ソフィアの災難』:

2025-02-23(体内化/ベゴニアの破裂する) - よくわからない比喩

 

萩野なつみ『遠葬』:今年なんどか手に取り読みかえした。読んでは海が見たいと思い、結局今年は一度も海を見なかったかもしれない。この本について書かれた、今は閉鎖されてしまったブログ記事を保存しておかなかったことをものすごく後悔している。

 

森博嗣『すべてがFになる』:S&Mシリーズはすべてaudibleで聴き、ついでに四季シリーズも一気読みするなど、まるで中学生の夏休みのような読書体験ができて嬉しかった。やっぱりすべてがFになるのスケールと完成度がすごい。

 

茅野大樹『ベンヤミンとモナドロジー』:1月に読んだのでもう正直かなり忘れてしまったが、ベンヤミンにうっとりしすぎていないところがよかったと思う。

 

松本卓也『斜め論』:最近よく出るオープンダイアローグとケア関連の本を読んでいつも思うのは、大学のグループワークでさえ全然できなかったのに、精神状態の悪い時にオープンダイアローグなんて到底できないさ、ということである。だから水平でも垂直でもなく斜めなのだということはまあ納得。内海健もいくつか最近読んだけど、根本的な自分の問題意識って卒論で書いたことからもう変わらないかもしれない。もう少しいろんなものを読んだら変わるだろうか。

 

福嶋亮大『世界文学のアーキテクチャ』:日本にいま批評家がいないということがたびたび嘆かれているけれども、福嶋亮大は、私の限られた読書範囲のなかではかなりよい批評家ではないかと思う。問題整理が上手。町屋良平の小説の死後も一応せっせと図書館で印刷してきて読みはしたのだが、本当に、流通と商品の問題と、小説のクオリティには関係がなく、人間関係にも興味がないです、という気持ちになってしまった。

 

映画

見ていなさすぎるため、なし。
オリヴェイラの『アブラハム渓谷』をスクリーンで見られてよかった。

 

音楽

なによりthe cabsの復活があり、嬉しい。

行ったライブは以下の通りで、だいたいこれらを聴いて、あいまにapple musicのおすすめから違うのを聴いてみるくらい。audibleで耳が急がしいので音楽の機会が減ってしまった。

4/12 SYNCHRONICITY

6/25 People In The Box @O-EAST

7/10 downy@SHIBUYA CLUB QUATTRO

7/17 khakiとTHE NOVEMBERS @SHIBUYA CLUB QUATTRO

8/20 青葉市子@すみだトリフォニーホール

9/15 ひとひらとPeople In The Box@新代田FEVER

10/9 Plastic Tree トロイメライ@松戸森のホール

10/10 青葉市子@札幌kitara小ホール

11/5 the cabs@豊洲PIT

11/20 THE NOVEMBERS@渋谷公会堂

12/28 Plastic Tree 年末公演@渋谷公会堂

 

買ったもの

BABYのミルフィーユJSK:思い切って2色買いしたけど後悔はなし。あとはミラベル黒が手に入れば、BABYはもう満足かもしれない。ロリィタちょっと飽きつつあるけれども、他に着たい服がないので来年も着ると思う。

 

椅子:fuzkue初台店で座ってよかった、13.5万くらいする椅子。ゆったりできて本の読みやすい一人がけのソファはこの世にあまりないということがここ数年でわかっていたので、もうこれだ!と思い定めて買った。結果的にはよかったと思う。

 

そのほか

台湾で食べた豆花が美味しかった。日本でもコンビニスイーツくらいの手軽さで買えないだろうか。

この一年で同級生の結婚式3件に呼ばれた。みんな人生のコマをすすめていてえらい。高校の友達、大事にしたい。
2020年くらいにはすごく気持ちが閉じていたのが、会社にも慣れ、わずかな社交性を身に付けたことを実感している。来年は気さくと形容されるくらい明るくなれたら嬉しい。

ブログは月に1つ計12書くことを目標としていたが、一応達成できてよかった。来年も同じくらい書けるといい。

2025-12-07(所有/滑らかな)

おそらく所有をめぐって正常の悲哀と病的な抑うつの分水嶺となるのは、次のような一連の過程であろう。まず第一に、うつ病者の所有しているものとは、所有していることすら気づかないものである。引越しうつ病の事例(引用者注:集合住宅から一軒家へと引っ越した専業主婦がやがてうつ病になった症例)では、それはかつての住み慣れた集合住宅の空間である。この空間はまさに空気のようなものである。それは、私が持つ「物」のような手ごたえのある物ではない。むしろ自分を包み込む環境のようなものである。それゆえ自己にとって「対象」という身分のものではない。魚にとって水のようなものであり、それゆえまさに、言葉の本義におけるエレメントである。すでにみたように、それはまさに自分の一部である。

そして、所有と自己の関係がある意味で転倒されることになる。自己はもはや所有する主体ではなく、所有を通して与えられるものとなる。もっとも、うつ病の場合に限らず、いかなる自己もそれ自体で自足することはできない。所有なしではありえない。というのも、所有は、自己が自己を映し出すために不可欠のものだからである。とはいえ、存在と所有の関係が、最終的に転倒されるわけではない。あくまで主体が所有するという図式に、最終的には落ちつく。

うつ病親和者の場合には、自己はあまりにも環界に備給してしまっている。あたかも伸びきった備給線のような布置のもとで、自己はきわめて貧困なものとなる。それゆえ、もし所有から存在へというフィードバックが絶たれるならば、主体は発病の淵へと追いつめられることになるだろう。

 

「もっとも感情が動くのはどんなとき?」
「恋のときかな」
彼女はそう応えると、仰向けの裸の両腕を頭上にあげて伸びのようにやや胸を反らせた。気まぐれな猫の演出。横になった女の胸はほとんど平らであばらの骨が浮き出ているのだろうと、暗闇で知覚する。ついさっきまで触れていた皮膚越しの骨の触覚はもう忘れていた。彼女の恋の対象として私は当然含まれているのだろうと思い、感情の起伏の原因となっていることに半分喜び、半分暗澹とした。自分のせいで誰かの感情を損なうことになることは本意ではなかった。そして彼女は自分と関わり続ければ確実に狂っていってしまうだろうと予想がついた。そういう女の子がたくさんいた。
「人を所有したいと思う?」
「自分だけのものにしたいということ?」
「そう、独占して所有すること」
「それはあまり思わない。そのとき、一時的に借りることができればよくて、恒久的な所有は望まない」
「そう……。人を所有することなんてできないけれど、所有しようとするところに、ロマンチックさは感じない?」
「観念としてはわかるけれど、自分の実感としてはよくわからない」
所有されることを望むという欲望の持ち方を彼女らはする。男性である自分の眼差しではかられることに、少なからず反抗的な思想を持ち合わせているにもかかわらず、恋の前では屈服してしまうようだった。屈服することに快楽を見出しているのかもしれない。その欲望の捻じ曲がり方を、私は興味深いと思っていた。興味深いのだと示すことで、彼女らはますますみずからの屈折をよしとした。 目の前の個別の身体として認識はしているつもりだが、こう書きつけてみると、驚くほど彼女らは似ていた。似ている人々を寄せ付けてしまうのか、似たような存在として意味づけて整理してしまうのか、そのどちらでもあるだろうと思った。人はたくさんいすぎて、類型化しないと扱いきれなかった。

所有を固有にまで高めること、そしてその所有が私の固有性を与え返してくれるというあり方、言い換えれば、自己の固有性を所有するものに託したあり方が、古典的なうつ病の発症に前駆して認められてきた。この構図がいったんでき上がると、所有の喪失は自己にとって致命的な事態となる。

私が彼女らを彼女らとして類型化する一方で、彼女らは固有性にこだわった。私の存在によって彼女らが自らの固有性を担保していると考えることは傲慢だろうか?しかし、私を喪失したとしても、彼女らが死ぬとは思わなかった。死ぬと口では言うだろうが、実際のところ、誰も実行しない。せいぜいが鬱になるくらいだった。身体への侵襲としての所有であるところのセックスは、だから彼女らの欲望を実現するもっとも手っ取り早い手段だった。
「出さないの?」
彼女は、乱れていない声で聞いてきた。考え事をしながら腰を動かしているうちに、射精感は遠のいていた。陰茎を抜く。その点、アルベルチーヌは結局事故で死にはしたが、逃走によって語り手の所有を裏切るという方法をとった。それが賢いやり方かも知れなかった。もっとも、私は先ほど言ったように、恒久的な所有には興味がなかった。その態度が、所有されることを望む彼女をますます狂わせるのだとしても、仕方がなかった。恒久的な所有がなければ逃走すら不可能かもしれない。射精をせずに行為が終わったことに、彼女は満足げだ。行為の単位を射精の回数と同期させるのは、あまりに男根中心主義だとつねづね言っていた。

彼女は「ありがとう。でも、手伝いは必要ないと思う」と言った。それは、僕の申し出は体液の交換が保証する以上の親密さを前提としていて図々しいと言いたげな口調だった。アリーナのしらばくれた態度はあまりに徹底していたので僕は驚き、だまされた気になった——まるでアパートでの出来事がなかったかのように。僕の方はいまだにセックスのほてりが冷めやらぬまま、体の五感と都市の鼓動が同じ周波数で共鳴し、もう一度彼女を所有し、所有されることだけを求めているというのに、彼女の方は完全に冷めた目で僕を見詰めていた(…)。 〈中略〉 
「僕は、たぶん僕を好きでもない謎の女と、赤の他人のアパートで行き当たりばったりにセックスをする人間だよ。君は結婚しているじゃないか」。シャロンとジョンの結婚式を執り行ったのは僕だった——直前に、オンラインで牧師資格を取得して。
「彼女はあなたが好き。ただ、執着しないだけ」
「雄のタコは、交尾のために、”攻撃”を仕掛けるとき、吸盤を使って標的をつかみ、生殖腕を挿入する」
「万一、アリーナが生殖するとしたら、きっと分裂という方法でしょうね」
「窒息プレイとかいうやつは」と僕は二杯目のカクテルの勢いに乗って言った。「何だかぞっとしないんだよな」
「女を本人の欲望から守ってやらなきゃならないとか、考えるのをやめたら?」

自己と所有の関係がいつのまにか滑らかに転倒するように、行為の終わりも始まりも本当ははっきりとさせたくなかった。密室に入ったら始まり、出たら終わる。そのとき都市は関係なく呼吸をしている。

 

 

引用
内海健『気分障害のハード・コア』、金剛出版、2020年、182-184頁
ベン・ラーナー『10:04』、木原善彦訳、白水社、2017年、36-37頁