冬休みに入ってから一週間、バイトに知り合いの演奏会に(なぜか大学合唱団の定期演奏会はこの時期に集中する)映画に忙しかった。9日からいろいろ細切れには書いていたのだけれど、大学があるうちはかなり鬱々としていたので今読み返すと暗い。
年末なのでまとめ的なものを。
本 小説部門
上半期
- 飛魂/多和田葉子(今のところ多和田で一番好き)
- 地球に散りばめられて/多和田葉子(雪の練習生と同じくらい面白い)
- 犬身/松浦理英子(大好き、最高。作品論書いた)
- 葬儀の日/松浦理英子(大好き)
- 恋人たち・降誕祭の夜/金井美恵子(岸辺のない海で挫折したけど短編なら行けそうということが判明した)
- 夢の遠近法/山尾悠子(うっとり)
- TIMELESS/朝吹真理子(ちょっと惜しいのだけれどまあ好き)
- 杳子・妻隠/古井由吉(杳子の艶やかさよ)
- 奥のほそ道/リチャード・フラナガン、渡辺佐知江訳(今年読んだ外国文学の中では一番衝撃的だった)
下半期
- 小春日和/金井美恵子(これで一気に好きになった)
- ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ/金井美恵子(無数の引用のクレイジー・キルト。何回でも読みたい)
- 山梔/野溝七生子(号泣した)
- 寵児/津島佑子(つらかったけどよかった。津島佑子はもっと読むべき)
- 灯台へ/ヴァージニア・ウルフ、御輿哲也訳(全ページ美しくてすごい)
- 百年の孤独/ガルシア・マルケス、鼓直訳(ずっしり面白い)
- 嵐が丘/エミリー・ブロンテ、河島弘美訳( 再読。大好き。これを読まずに愛について語れない)
本 非小説部門
上半期
- カミーユ/大森静佳(歌集の中で二番目に好き)
- 差異と反復/ジル・ドゥルーズ、財津理訳(記念すべき初ドゥルーズ。超越論的経験論のレポートを書いたらなぜか褒められた)
- アセンブリ/ジュディス・バトラー、清水知子・佐藤嘉幸訳(記念すべき初バトラー。後半はまた読まなければ)
- ガール・イン・ザ・ダーク/高原英理編(奥歯を知る。ありそうでなかった良いアンソロジー)
- 八本脚の蝶/二階堂奥歯(無意識レベルで影響を受けたと思う。読まなかったらこのブログも書いてないかもしれないし)
- 彼女の「正しい」名前とは何か/岡真里(図書館で読んだけど手元に置くべきだよね)
下半期
- ジェンダー・トラブル/ジュディス・バトラー、竹村和子訳(二章はまだよくわからない)
- 触発する言葉/同上(バトラーの著作では読みやすい方なのでは。お願いだから再版して)
- 境界を攪乱する/竹村和子(ありがとう竹村和子)
- 愛について/竹村和子(母娘論が良い)
- 身体を引き受ける/ゲイル・サラモン、藤高和輝訳(トランスジェンダー論重要書。藤高のバトラー本も良かったので注目ですね)
- Beady-fingers/八柳李花(現代詩よくわからないけどなんとなく好き)
- 現実のクリストファー・ロビン/瀬戸夏子(きれっきれの文章。文学とフェミに関する批評では頼りになる存在、という感じ)
- ドゥルーズ 千の文学/芳川泰久、堀千晶、宇野邦一編(ドゥルーズに関する本で読んだ中では最もよかった。堀千晶の論考は全部いい)
- 私は生まれなおしている/スーザン・ソンタグ、木場和枝訳(日記って大好き。ヒロインズも読み切りたかったのにな)
- 高柳誠集成Ⅰ(うっとり。いい詩人を知れてよかった)
- 目白雑録など金井美恵子のエッセイ全般(なんせたくさんあるのでまだまだ読める幸せ。トークイベントは本当に残念だったな)
著者でいえばその存在が大きかったのは、二階堂奥歯、松浦理英子、金井美恵子、竹村和子、ジル・ドゥルーズ、ジュディス・バトラー。再読も部分的に読んだのも含めて約250冊。今年は何より、人文書というか哲学書というか、今までだったら敬遠して読めなかったような本をばりばりと読むようになったし、詩歌も読むようになったので、むしろ後半は小説をあまり読まなかったかもしれない。あとさすがに読んだ本の数以上ではなかったけれど、たぶん200冊くらい買ってて、積読が100冊くらいあるので(ああ恐ろしい)来年はその消化にも努めたいです。
映画
- 白河夜船/若木信吾(原作も好きなのだけれど安藤さくらも井浦新も良すぎる)
- 寝ても覚めても/濱口竜介(怖かった、また観たい)
- エル・スール/ビクトル・エリセ(また観たい)
- 哀しみのトリスターナ/ルイス・ブニュエル(ブニュエルを四本観たなかでは一番好きだった)
- バーニング/イ・チャンドン(今年公開の中では一番よかった。あらためてわたしは村上春樹を結構読んできたなと思った)
- ホットギミック/山戸結希(怒涛のセリフ、山戸結希節)
- ベルリン・天使の詩/ヴィム・ヴェンダース(いい映画すぎる)
- 女は女である/ジャン=リュック・ゴダール(かわいい。アンナ・カリーナよ)
- 骨までしゃぶる/加藤泰(痛快ガールズエンパワメントムービー)
- 柔らかい肌/フランソワ・トリュフォー(いちいち素敵。トリュフォーもっと観たい)
- 去年マリエンバードで/アラン・レネ(過剰に絢爛)
- 私が、生きる肌/ペドロ・アルモドバル(怖いけど面白い、ドラマティック。好きな監督)
- ジュリエッタ/ペドロ・アルモドバル(だばだば泣いた)
映画は今年に入るまでほとんど見たこともないの同然の状態で、10月くらいから観るのが楽しくなってきた。全体で観たのが約60本くらいで、その半分が10月からなので。授業でいい映画を教えてもらったということや早稲田松竹やアマプラの存在もあるけれど、やっぱり金井美恵子の影響が大きいのだと思う。来年は倍くらいは観れるはず。
美術展
- 岡上淑子展@庭園美術館(行ったときまだ金井美恵子を全然読んでなかったのが悔やまれる。あとファイルとか買っておけばよかった)
- コートールド展@東京都美術館(傑作揃いの豪華な展示)
- 鹿島茂コレクション アール・デコの造本@日比谷文化図書館(ときめき。ファイル使ってるしカード飾ってる)
出不精&自意識過剰なため美術展にあまり足が向くことはないが、行ったものはよかった。来年もあまり行かないと思う。
音楽
- テリフリアメ、誰かの世界、iamPOD(0%) など/青葉市子(秋頃からずっと聴いてる。声も歌詞も好き)
- 帰り道は遠回りしたくなる/乃木坂46(なぁちゃんが卒業してもう一年になるらしいけれど、インスタにあげられているなんらかの動画をほぼ毎日見ている)
- I Don't Know You/The Marias(気持ちいい)
- bad guy/ビリー・アイリッシュ(みんな聴いてるのは良いから)
- aikoの詩。(aikoはサブスクにないのでCDを買った。今年唯一買ったCD。税金みたいなもの)
- our music/相対性理論(去年の方が聴いてた気がするけど、まだまだ聴いている。vo+pfバージョンが好き)
- Figure Humaine/プーランク(演奏会で歌ったので。また歌いたい。エリュアールの詩)
- ロ短調ミサ/バッハ(鈴木雅明の録音を主に聴いている。キ〜リエ〜〜。再来年全曲歌うらしいので)
本や映画に傾倒した反面、音楽からは離れた年だった。高三以外は中学からずっと出ていた夏のコンクールも出なかったし、バイオリンも全然弾いてないし。でも年明けからはぼちぼち再開する予定。移動中もあんまり音楽聴かなくなったし、まず良いイヤホンを買うところから…
買ってよかったもの
- マリアージュフレールのフレンチブレックファーストティー(文句なしに美味しい)
- ケイトスペードの二つ折り財布(ベージュだけど意外と汚れに強い)
- パナソニックのナノケアドライヤー(サラサラになる)
- KINTOの水筒(見た目がお洒落で塗装がはげないのが良い。ただちょっと錆びる)
- エクセルのネイル・キャロットラペ(いい色)
- UZUのアイライナー(描きやすい)
- bearというアプリのサブスクリプション(ハッシュタグ管理が便利。主に読書メモとして使っている)
欲しいものがあってもなぜかしら、迷っているうちにそのお金が本に変わっていてなかなか欲しいものが手に入っていない気がする。来年もたくさん稼いで欲しいものを得る。
というわけで長くなったけれど、振り返ってみると悪くない年だったような。何より暇だったのがよかった。十代から二十代になるという変化はあるにせよ、来年も今年と同じような感じだと予想されるのでのんびりやっていきたい。