2019-02-20

 

 

あ、ひなたくさい。ひなたぼっこしている猫はいない。

 

岡上淑子展に行く。コラージュは誰でも出来そうな気がしてしまうけれど誰でもできるからこそセンスがはっきりとでる。初期はシンプルなパーツの少ない作品。エルンストを知ってからは背景にも写真を用いてパーツも増えた。作品の意味性が強くなったように思う。エルンストの作品は本の形だからストーリーを汲み取ろうとしてしまうのだろうか。dépaysement という単語を知る。それがあるはずがないところへ置くこと。その違和感。天使の巣と叛逆の天使のポストカードを買う。好きな作品は天使がモチーフだった。

 

時間潰しに奥渋谷のSPBS。今月はもう本を買うまい、と思っているのだが時間があると本屋に行き当然そこでは本を買う。『生活考察』を買った。『生活の技術』もかなり迷ったが今回は諦め。この本屋の選書はかなり好き。

駅までの間に古本屋を見つけてしまい、吸い込まれる。澁澤龍彦『幻想の彼方に』にエルンスト論が載っているので、これも縁、と買う。

 

回転ドアに緊張する。合間には『奥のほそ道』を読む。

オペラシティホールで東京フィルのマーラー9番。チョン・ミョンフン。ロマンティックな旋律にうっかり動揺する。マーラーってもっとででんと派手な感じだと勝手に思っていたのだ。4楽章のピアニッシモ。緊張のほそい糸。本人がersterbend(死に絶えるように)と書き込み、死がテーマと言われているが、これはほとんど祈りだと思った。マーラーもコラージュのような技法を使う。コラージュづいた日だった。

 

冬と春の間の雨。マンホールのしたに流れる水の音。歩き疲れたな。