2022-12-11(纏うもの/神様の)

 

ほとんど動かなかったのか、寝る前に抱いていたぬいぐるみがそのままの位置にいた。イヤホンもしたままだった。死ぬ前にぬいぐるみとともに棺に入れてほしいって書いておきたい。在宅勤務のありがたみを冬になってかみしめている。いつまでもベッドにいたい。職場で自分がどう思われているかいまいちわからない。与えられたものは早めにこなしてるからマイナスってことはないだろう、でもプラスではなさそう。一度要員が足りなかったほかのチーム(あまりにも足りないらしく年末年始にもなにやら作業があってつらそう…)に手伝いに入ったら、効率よく飲み込み早くて助かりました〜と言ってもらえて嬉しかった。のちのち年下の人が入ってきたら褒めて育てるのを心がけたい。ボーナスも思ってたよりあり、ホワイト企業にさえ入れればいいって思ってたから運良く入れて本当に良かった。ボーナスでまた本や衣類を増やしてしまうかもしれない。ロリィタ(このあいだお店でロリィタさんと呼ばれ、ロリィタさんとしてのアイデンティティが他者から承認されました)、いつまで着るのだろう。年齢の問題というより私の飽き性の問題でそんなに長く着ない気もしており、いっぺんに似たような種類の服を買っていいのかという問題がある。でも服を買ったり着たりすることにこんなに感情を動かされることってほとんど今までなかったと思う。物欲とはうまく折り合いたい。

なぜゴスロリなのかという話をここには書いてなかった気がする。インスタに書いたものを転記しておく。

小五(2011年)くらいに、ロリィタが流行っていたのか、『神様のメモ帳』とか『GOSICK』とか『B.A.D』とか、ゴスロリを着たかわいい女の子が出てくるラノベを読んでいて、そこからずっと憧れてきたけど、実際に自分が着るということをあんまり考えたことがなかった。
今は、かつて甘ロリとか言われていた類の(地雷とか量産とかネーミングがあんまりなので使いたくない、本人たちはすすんで自称するようだけど)、ふりふりの服が流行っており、インスタで眺めているうちに私の本当に好きで着たい服ってゴスロリだったのでは?という気づきを得た。大学にゴスロリ着てきていた仏文のかわいい人がいて、実際に着ている人を見て、やっぱりいいなあと思ったこともある。そもそも、ゴシックなマインド(cf. 高原英理『ゴシックハート』)は持っていたと思う。
ロリィタはまず服が高いというハードルがあるが、グレイルとかユニクロとかに慣らされているだけで、これだけしっかりした縫製で繊細なフリルなどついていれば高くなるものだ。会社員実家暮らしの余裕(それにしても四月からものを買いすぎではある)。まあでも高い分、買う時にすごく悩むし大事にしようと思える。
ブランドはこの着てる二つのブランド(sheglitとMIHO MATSUDA)が好きです。ゴスロリといえど、ドレスすぎず(パニエも持ってない)、普段使いできるライン。今暑すぎて着れないしそもそも外出てないので、早く着られる季節になって欲しい。一生秋冬を繰り返していいよ。

(8月3日)

で、懐古モード(懐古ロリというジャンルもあるらしい)にはいり、さいきん『神様のメモ帳』を読み返したら思ってたよりかなり文章がちゃんとしており、ふつうに小説として面白かった。ラノベに親でも殺されたのか?というような憎悪をむける本屋の店主のツイートを見かけたが、あれはどこから生まれた憎悪なのだろう。保守にしろ革新にしろ、店の人のツイートは私にとってノイズに感じる。本屋のラインナップから思想を感じるのはよいが、本屋が喋っているのは好ましくない。好みの問題だが。

本は、このあいだ『エクリチュールと差異』『スピノザと表現の問題』という大物二つを買った。またいつ絶版になって高騰するかもわからないので、ここ数年単位で参照の気配があるものはなるべく買いたいと思っている。

 

図書館へ。身につけているもの全て真っ黒だと闇に紛れてしまう。『巨匠とマルガリータ』を借りてきた。年の瀬になると大物の長編小説を読みたくなる。

図書館②へ。雨が降ったようで空気が冷たい。奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』の順番が回ってきたので借りる。お風呂で読む。近頃またSNS依存になっているので、浴室で本の内容のことだけを考えている時間に安堵する。ちょうど巨匠とマルガリータの話など出てきてこういう巡り合わせはいつでも嬉しい。古井の『杳子』も再読した。初読時はうっとりなどと書いていたが今はぐったりという感じだ。杳子の身体、腰のあたりが重たいという描写が多く、その重みを感じる男というよりは杳子の重みそのものに同期してしまう感覚がある。雷獣というYouTuberグループが、男性がAVを見ている時に男女どちらに移入しているのかという問題を話していて面白いと思った。男性の性欲のことがよくわからない。

 

書き始めてから五日くらいの日が経っている。