2021-05-05(風が強い/世界と私)

 


まだ半睡のまなこで電話をとる。家から駅に向かっているのだという。風が強いのでよく聞き取れない。半睡のまま切る。

 


くらもちふさこの『いつもポケットにショパン』を途中まで読む。母の持ち物。主人公の麻子が人の気持ちに疎いわりには機嫌を伺いすぎるので苛々させられる。クラシック音楽(とくにピアノ、ヴァイオリン)を小さい頃からやる人の、親の影響力というのはとても大きい。

 


エヴァンゲリオンの破を見終わる。ぼろぼろ泣く。シンジと同じくらいの年でエヴァをみたら、それは取り込まれてしまうだろうというのはよくわかる。最初はこの物語に対してかなり穿った見方をしていたが(みんなが見ているものはだいたい穿ってしまうが)、それぞれの人物の切実さをわかると、大きな世界と小さな日常の連続にもまんまと入り込んでしまう。でもそこで心が通うようで通わないエヴァという装置を挟み込むのが妙なのだろう。旧劇は見ていないのだが、同じ人が同じ物語を何年もかけてやり直すというのは、かなり特異なことだと思う。それじたいが二次創作的になる。

 


名付けられた関係に退屈さを感じる一方で、曖昧な関係には自分の位置の不安定さを怖がっていて、結局だれとも関係せずにいたい、なにも信じたくないと閉じこもってしまう夜。