2020-11-05(会わない/日没)

大半の人とは、会わないまま死んでいく。連絡を取ることも噂を聞くこともなく、中には知らないうちにほんとうに死んでしまう人もいる。だとしたら、会うことがない人と、死んでしまった人と、どこが違うのか。[…]

会えるかもしれない、と、わたしは思い続けることができる。会わなかった年月の分、年を取った彼らと。たぶんそれが、生きてる人と死んだ人の違うところ。

 

柴崎友香『わたしがいなかった街で』

 

 

 

わたしは、自分に会いたいと思う人などこの世にいないだろうと思いながら生きてきたし、今もそうだ。

 

津村記久子『君は永遠にそいつらより若い』

 

 

 

関西弁が使われている小説を読むと、会話文でいわゆる女言葉を避けるには方言という手しかないのだろうか、と思う。川上未映子柴崎友香津村記久子西加奈子も。村田沙耶香はたぶん語尾を伸ばすことで処理している。

 

 

 

ここ数日漫画ばかり読んでる。なんで漫画って学校で読んじゃだめなものみたいな感じだったんだろう。高校の図書館にはたくさん漫画があって、そこでパラダイスキスとか三月のライオンとかチェーザレとかNANAとか読んだ。君に届けとかもっといろいろ読んどけばよかった。でもやっぱり2000年より前に書かれたものに惹かれることが多い。誰かに生まれ変わりたいと思ったことはないけど、もっと前の時代に生きたかったとは思う。

 

 

はやくなった夕暮れの部屋で、誰にも会わないまま死ぬのだろう。