2019-11-02(百年の孤独/古本/コートールド)

 

 

ここのところ夢見がわるく、目覚ましをかけずに寝る日にはだいたい起きる一時間前くらいから断続的な夢を見る。

 

先週くらいからちょこちょこと読んでいた『百年の孤独』を、今日も起きたときからお昼頃まで読んで、読み終わった。外国の小説で登場人物がたくさん出てくると覚えきれなくて挫折してしまいがちになるけれど、これは家系図がついていたし、おそらく同じ名前を持つものは運命的に似てしまって誰が誰なのか読者がわからなくなってしまうということは意図的にやっているので、わからなくなっても良しということにして読んでいた。久しぶりに物語の世界に没頭してたのしんだ。先週、好きな先生の授業でヒュームとベルクソンにおける時間のちがい、みたいな内容を扱ってて、それぞれ作家で例えるとヒューム→カフカベケットベルクソンガルシア・マルケスらしい。ベルクソンの記憶はイデアで運命論っぽい感じなので、これは納得。あとベルクソン天皇制を繋げて批判してたのが面白かった。

 

猫がやってきて日向ぼっこするくらいのいい天気なので、このままずっと家で過ごすのもはばかられ、とりあえず外に出た。でも、新宿のホームがごった返していて、やっぱり家にいればよかったと思う。

鶯谷で降りて、古書屋へ。幻想系を揃えていて店舗も広く、さすがの品揃えだった。金井美恵子『砂の粒/孤独な場所で』、野溝七生子『アルスのノート』、サミュエル・ベケット『名づけえぬもの』を買う。ベケット三部作(白水社の旧訳の方)が揃って売っていたのだけれど、モロイは新訳で買っちゃったし…と思ってなんとも中途半端な買い方をした(マロウンは持ってない)。

一瞬ラブホ街に迷い込んでしまったりしつつ、歩いて上野のさいきん出来たらしい古本屋へ(古本屋しか行くとこないのかな)。ちょっと卒倒しそうな品揃えだった。店主さんの個人コレクションを売っているという感じがした。あれもほしいこれもほしいと思いながらレジにはソンタグの『反解釈』、『金井美恵子全短編Ⅰ』、ジョン・ファンテ『満ちみてる生』、ヴェイユ重力と恩寵』を。たくさん買うねえと店主のおじいさんに言われて、いやこれでもめちゃくちゃ厳選しましたと言おうかと思ったけど、ふふと笑っておしまい。また近いうちに行きたい。全短編のⅡもあったから買いたいよ…。

重たい本を抱えて東京都美術館のコートールド美術館展へ。絵画に詳しくなくてなんだかんだ印象派ばかりみてしまうのではずかしい。でもこれはフランス詩の授業をしているほどよく狂った面白い先生が行った方がいいって言ってたし。夜の美術館は人がすくなくて快適だった。絵画を見るときについ意味を求めてキャプションを熱心に読んでしまう(そういう人は多いと思う)けれど、今回はあまり読まずに絵だけをみた。自分の目をもっと信じられるようになりたい。