2019-04-11

 

男の前でだけ、涙を流す女を知っている。その動機も心情もたぶん知っている。泣くことに目から涙が出る以上の意味を加えて免罪符のように扱ってきた女たちを否定することはできない。また目の前で彼女が涙を流したことを自分への肯定だと受け取ってはいけない。

 

全部の授業が一通り終わって、全部面白そうだったので安心する。哲学、文学、ジェンダーをざっくり、みたいな専門性のない授業選択だがそういう学部なのでしょうがない。そういう学部が作られてしまった背景を皮肉(というか悪口)たっぷりに語る先生がいたけど、まあ自分の興味関心を全て勉強できると思って利用する。とにかくしっかり読まなくてはいけない難しい(らしい)本が多い。だから昨日は『カミーユ』を今日は『現実のクリストファーロビン』を買ってしまいました。完全に現実逃避である。

短歌は詩よりはるかに読みやすい気がする。それはたぶん穂村弘のわかりやすい短歌論を読んできたからだと思うけど。現代詩も誰か解説してほしいよ。

 

栞紐あげるとき遠くからわたしがわたしを呼ぶ声の棘

 

羊水はこの世かこの世の外なのか月の匂いがひどく酸っぱい

 

ぎんいろに凍った雨が伸びてきてぎんいろの檻 傘はひらくな

 

大森静佳『カミーユ