2019-03-04

 

 

キリスト教講義』を読み終える。

たとえば西洋の古い歌を歌うとき、歌詞を読むこともそれを日本語の意味に当てはめることも音符を拾うこともできるけれど、キリスト教がわからない、ということが曲への理解を大きく阻んでいると思っている。そもそも神を信じる、ということを実感していないのにただ音楽が美しいからという理由で宗教曲なんて歌っていいのかと思う。

若松英輔と山本芳久の対話形式なのだが、わかりやすい言葉で深いところに降りていく二人についていく感じの読書体験が楽しい。

対話が成り立つには、自分の立場は不完全なものであると認識しながら、しかしそこに立脚するということが前提として必要だろうと思います。自らの不完全性を認識しながら、自己に立脚するという態度。

(中略)

一方、いや完全なんてものはない、みんなで中間点を目指してやりましょう、という態度も問題が残る。宗教多元主義というもこは学問的考えとしては成り立つけれども、実存的には成り立たない。その区別はしなければならないと思います。(若松)

 

須賀敦子の話が頻繁に出てきたので、積読にしてある全集を読もうと思う(その前に立ちはだかる図書館の本5冊)。

 

この本を担当した鳥嶋七実という文藝春秋の編集者を知る。『コンビニ人間』なども手がけたそう。ざっと調べたところによるとどうやら上野千鶴子のゼミ生だったようで、さぞかし優秀なのだろう。

 

今日成績発表があり、だいたい期待通りにとれていたのでほっとする。来年度からはようやく成績をあまり気にしないで勉強できることが嬉しい。中学生のときは高校に入るため、高校生のときは大学に入るため、大学一年生のときは二年生からの希望の進級先に入るため、に成績をとる必要があった。人に評価されることはべつに構わないが、その評価によって自分の将来が定められてしまうことにはすごく抵抗があるので、できるだけいい成績をとっておくのに越したことはない、けどそれももう終わり。